第11回 富士フイルム九州杯 ”地下水を守るんだ”フォトコンテスト 入賞作品

<撮影対象> 未来に引き継いでいきたい南阿蘇村 生活・風景・人など
<撮影期間> 令和5年41(木)〜令和6年1月31日(水)まで

一般部門 特選 前田 高光 様
「朝の草原の音色」
入選 宮部 智 様
「氷上の天満宮」
入選 木原 進 様
「長野岩戸神楽」
入選 川上 和臣 様
「魅力的な道の駅」

熊日フォト・サークル副会長  宮﨑 喜一 様  総評コメント

本年も例年見られるスポットを中心に多くの作品が寄せられました。
昨今、一時程パソコンの色出しのまずい作品は少なく苦言が一つ減ったくらいです。光と陰をうまく考慮し、加工も過度にしなくて良いように採り方の上達にあるのかとも思われます。

惜しまれる一つは、仕上げが不十分なため、せっかく良いところを撮られているのに、トリミング、四隅の処理など不十分で、今一のところで作品になり得てない写真が見られ、仕上げの最後まで丁寧に取り扱って頂きたいと思いました。
二つには、丁寧に撮られていても主題が弱いか、はっきりしてない作品も見られることでした。
デジタルは人物中心に美しく撮れるように仕組まれている様で、現実より美し過ぎる作品も多く見られ、撮った時の臨場感は忘れず目に焼き付けておくことの大切さも感じました。

いずれにしろ、デジタルに使われることなく、メカを駆使し、機械から使われないようにすることが一番と思います。
南阿蘇といえば、まだまだ出品されていない多くのスポットがあります。
随処を撮っても「未来へつなぐ南阿蘇」のタイトルに合う処ばかりと思います。足で稼ぎ自分だけのよいスポットをご発見ください。

一般部門 特選 「朝の草原の音色」 前田 高光 様

この写真は静かながらにして、大自然の躍動すら感じられます。草原を這うモヤが生きた自然を感じさせ撮影の決め手となっています。上部の青空は色濃く三分の一くらいカットしても良いですが、広がりを感じらせ、草原と共に山の澄んだ空気感すら感じられます。
牛の点在、左奥の小屋も程よくモヤの中にあり、強さが加えられてはいるもの、絵づくりの核として存在しています。画面の安定感にも役立っています。
草原をも一つにした新たな視点の写真として評価しました。

入選 「氷上の天満宮」 宮部 智 様

この場所には四季を通して、良く撮られている場所で、こんもりとした中に塚の鳥居が撮影のポイントとなります。過去にも凍った田んぼはありましたが、一面の雪景色は真新しく感じられ、背景の山々にも効果的です。きっと日頃計画された撮影スポットの一つかと思われますが、雪だ!サー行け!と出掛けられたように気がします。
真白くならないようにと、田んぼの雪の無い黒い部分も計算されているようですが、塚の朽の木と上下に並んだところは画面構成上、惜しまれます。下の黒部が少し右にでもずらしたアングルでしたら、画面に動きが加わって来るものと思われます。

入選 「長野岩戸神楽」 木原 進 様

神楽の写真は他にもありましたが、野外ではバックにいろいろと目ざわりなものが映り、主役強調の邪魔になっていました。比べてこの写真は、室内ということもあり不要なものが少なくスッキリと仕上げっています。室内の撮影はバックの収まりの良い処を選定し、演者の組み合わせ、子ぶり、身振りを中心にシャッターチャンスを狙えばよいから収まりは良くなります。
天上窓から明かりがスポットライトの役目を果たし、舞ろ人の形を浮き彫らせています。画象だけ求める撮影には良いが、逆に神楽のムードは明る過ぎる故に、散漫になっていているとも言えます。

入選 「魅力的な道の駅」 川上 和臣 様

長々と続くコキア畑が当地の広さを物語り、壮快感すら伺えます。撮影時間帯も良く遠方にはかすかなモヤが残り、色だしには良い条件にあります。八景は自然界がスタジオです。思いの条件はめったに待ってはくれません。様々な撮影条件を想定し、時折りの目的地に向かうことが大切でしょう。
この作品は少し横長くなっていますので、撮影時に脚立を使用し、一寸俯瞰した形を取るか、右側を五分の一位カットすればコキアの大きく見れ、先のコスモスも目立つように思えます。

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