お名前:喜多いきいきくらぶ きたいきいきくらぶ
代表者:高島和子
代表(創始者)の高島和子は就農時から植物性ぼかしを中心とした有機農業に取り組んでいたが、自分の米で日本酒を作りたいと思ったことをきっかけに、2005年から東海大学農学部の先生と相談しながら、自然栽培で酒米の栽培を始めた。
自然農法の米はたんぱく含有量が低く、醸造すると雑味がない澄んだ仕上がりになる。酒米の中でも一番栽培が難しい、山田錦の栽培にチャレンジした。
2010年に仲間が増え、5人で生産を開始したところから、喜多いきいきくらぶを設立した。
自然栽培でしか見られない「立ち姿の美しい山田錦」を作ることにこだわっている。山田錦は「酒米の王様」と呼ばれる酒造好適米の代表的な品種であるが、同時に非常に倒れやすい品種である。そこで、こだわりとして肥料を入れずに栽培することで収量は落ちるが、稲が倒れづらくなる他、米自体もタンパク含量の非常に少ない雑味のない酒米になる (毎年検査を実施)。
また、年に一度、生産者ら、酒蔵、酒屋、精米業者等の関係者が集まる「田んぼ見学会」を開催し、実際に育つ稲の姿を見てもらい関係者同士の交流の場を作っている。
南阿蘇の綺麗な水や大地を守りながら、美味しいお酒を作っている。
若い作り手の仲間を増やしていきたい。13名の生産者の中でも4名が80代。その問題を解決するためには、共同で農業をする生産者組合の形態を生かし、酒米をもっと作りやすくしていくことが必要。生産者組合のメリットとしては、新規就農者でも知見をシェアしながら同じスタートラインで始めやすく、そして仲間同士で喜びを分かち合える。
技術面では除草の省力化が課題。自然栽培の稲作では、除草作業が主な作業となるので、生産者同士で情報交換しながら、より良い方法を探りたい。また、酒米に重要な心白のしっかり入った米作りの技術も確立していきたい。
自然栽培米の栽培にいち早く着手し、取り組み始めたが、現在、自然栽培米を使った日本酒づくりも注目が集まっており、需要は増えていくことが予想される。今後の団体の行く末はまだわからないが、南阿蘇村内で自然栽培・有機栽培の圃場が増えた事実はある。楽しんで農業を続けたい。