元々山登りなど自然が好きで自給自足へのあこがれがあった。
有機農業にこだわりがあったわけではないが、たまたま栃木の研修先が少量多品目の有機農業だったので、生き方に魅せられて、このやり方しか知らずに自然とそのまま就農を決めた。
就農先を探していたところ、人からの紹介で南阿蘇の「ぽっこわぱ耕文舎」で短期の研修を受けた。景色がよく、実家の太宰府からも近かったので、家族の将来を考えて南阿蘇に決定した。
「とまり木農園」というコンセプトで、年間20人ほどのファームステイ受け入れをしている。
移住希望、農業体験、就農希望、土からの癒し、などの目的でステイしに来られた方に、何かのきっかけや気づき、成長やご縁つなぎの場を提供できればいいなあ、と考えて続けている。
自分自身は社交的な性格でもないので、さほど向いているとも思わないのだけど、それはそれで面白い何かが生まれることも多いのかなあとも思いながら…(笑)
16年前の、まだ若者だった就農当初の初心を忘れずに、農の世界、南阿蘇の土地と人々、神羅万象に感謝し、ささやかながらに今の暮らしが続けられたらいいなあ、と思う。
常に忙しくて苦しいこともあるけど、自分と家族の居場所としての農家暮らしを大事にして、その延長で安心なおいしい食べ物をたくさんの人にお届けしたり、体験の場を提供させてもらったりして、「今日もどなたかのお役にたてた。いい仕事ができたなあ」と思える日々を送っていきたい。